逮捕されたらどうなるの?弁護士に依頼した場合のメリットは?

2017/01/11

逮捕ってどういうことを言うの?

逮捕されたらどうなってしまうの?

弁護士に依頼した場合のメリットは?

このページをご覧のあなたは、このようなことでお悩みではありませんか?

逮捕ってどういうことを言うの?

逮捕について

逮捕の定義

逮捕とは、捜査機関による強制的な身体拘束のことを言います。強制捜査ですので断ることが出来ませんし、逃げることもできません。

「職務質問」や「事情聞きたいので署までご同行願えますか?」という場合も逮捕に含まれるの?

このような場合には逮捕とは言えません。あくまで任意で事情を聞かれていると考えて良いでしょう。

逮捕の種類

逮捕は大きく分けて以下の3種類になります。

逮捕の種類 内 容 逮捕可能な人
・通常逮捕 「逮捕状」という裁判官が発布する令状に基づいて行われる。 捜査機関
・緊急逮捕 一定の重大犯罪について、十分な嫌疑および緊急性が認められる場合。逮捕状なしに逮捕可能。ただし、逮捕後すぐに令状請求が必要。 捜査機関
・現行犯逮捕 犯行中もしくは犯行直後の場合には、逮捕状がなくてもその場で逮捕が認められることがある。 捜査機関・一般人

逮捕されたらどうなってしまうの?

逮捕から起訴までの流れ

逮捕直後はどうなるの?

まず、警察署で取り調べが行われます。その際、やっていないことについては曖昧にせず、しっかりと説明しましょう。逮捕された場合には、警察の留置場に入れられることになりますが、身体拘束しておく必要がないと判断されれば3日以内に釈放され、在宅事件として捜査されることになります。

検察官が取り調べをした上で証拠隠滅逃亡の恐れがあると判断した場合には、「勾留請求」といって、その人を長期間警察署にとどめ置くよう裁判所に請求することになります。その後、「勾留」といって裁判所にて勾留決定が出れば、その日から10日間警察署にて身体拘束されながら事件について取り調べを受けることになります。

10日間の取り調べ後、さらに最大で10日間勾留延長される場合もあるので、仕事やまわりへの影響を最小限にするためにも早急に弁護士をつける必要があるでしょう。

 

逮捕は前科になるの?

逮捕=前科にはなりません。逮捕というのは、事件に関係している疑いがある段階に過ぎません。前科は、事件が起訴され、罰金刑もしくは刑事裁判において有罪判決(執行猶予含む)となった場合につきます。

事件を起こして勾留されたとしても、弁護士の活動によって「不起訴処分」という、検察官が事件を起訴しないと判断することもあります。不起訴処分には嫌疑なし・嫌疑不十分・起訴猶予などの種類があります。これの最大のメリットとしては前科がつかないということです。職種によっては前科がつくことによって、欠格事由により資格や免許を最悪失ってしまうこともあります。

また、勾留中に不起訴処分となることによって、留置場からすみやかに釈放されます。釈放後は、法律上の制限などなく、今までと同じように日常生活を送っていくことが可能になります。

ただし、不起訴処分の獲得は、検察官が事件を起訴するか否かを決定するまでに行う必要があるため、弁護士に依頼する場合は、逮捕後や事件発覚後など、出来るだけ早い段階で依頼する必要があります。

逮捕されても前科がつかないのね!じゃあ焦って弁護士を頼む必要はないのかも。

いえいえ!!逮捕によるデメリットはいくつかあります!

逮捕によるデメリット

事件を報道される可能性がある

新聞やテレビなどで実名報道される可能性があります。特に逮捕者が公務員や銀行員、大手企業に勤める会社員など、社会的影響力が大きい地位にいる人に関しては、報道されるリスクも高まる傾向にあります。

一度実名で報道されてしまうと、その人の名前と事件がインターネットを通じて拡散され、再就職や結婚など、その後の人生に大きく関わってくる可能性があります。

もちろん、逮捕された本人だけでなく、そのご家族にまで影響が及び、住んでいる所を引っ越さなければならなくなったり、仕事や学校に通いづらくなってしまうという側面も懸念されます。

学校や職場にいられなくなるかもしれない

逮捕された場合、まずはその人のご家族へ連絡がいくことがほとんどです。

学生の場合、家族に加えて学校に連絡がいくこともあります。もしくは、事件調査のために警察が学校を訪れることがあれば、必然的に逮捕の事実が伝わることとなるでしょう。そうなれば、当然学校側も対応が求められますので、最悪の場合停学もしくは退学処分が考えられます。

社会人の場合には、事件関係者がいない限り、まず職場へ警察が連絡を入れるということはありません。しかし、報道されれば嫌でも事件のことが耳に入ってきますし、何日も無断欠勤が続けば怪しまれることは必須です。逮捕=何かしら犯罪を犯したのではないかという疑念を抱かれ、職場にいられなくなってしまう可能性があります。

弁護士に依頼した場合のメリットは?

早く釈放される可能性がある

捜査機関に逮捕されてしまった場合、弁護士は検察官に対して勾留請求をしないで欲しいという働きかけを行います。検察官が勾留請求をしなければ、被疑者は釈放となります。

検察官によって勾留請求がされた場合、弁護士は今度は裁判官に対して勾留決定をしないで欲しいという働きかけを行います。裁判官が勾留請求を却下すれば、被疑者は釈放となります。

裁判官が勾留決定をした後は、弁護士が裁判所に対して勾留決定に対する準抗告を行います。申立てが認められた場合には、被疑者は釈放となります。

このように、弁護士をつけることによって被疑者が早期に釈放されれば、今まで通りの生活を送ることが可能になり、会社や学校などまわりへの影響が少なくて済む場合があります。

取り調べについてアドバイスをもらうことが出来る

捜査機関は被疑者を取り調べる際に供述調書というものを作成します。被疑者から事件のことを聞き、それを書面に残します。これらの調書は一度作成されたら変更することが出来ません。そのため、事件に関して曖昧な供述をすればそのまま自分に不利な調書が出来上がってしまう場合もあるので、やっていないことに関してはしっかりと自分ではないと申し出る必要があります。

弁護士がつけば、取調べや調書作成にあたって適切なアドバイスを受けることが可能になります。

弁護士を依頼する時期について

もし逮捕されてしまったなら、すぐに弁護士に依頼する必要があります。なぜなら、逮捕から勾留決定までは最大72時間という限られた期間しかないからです。また、弁護士に依頼したとしても、刑事弁護経験があるか否かで結果が変わってくることもあります。早期釈放を目指すのであれば、経験豊富な弁護士に依頼することが大事なポイントになってくるでしょう。

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