交通交通事故の慰謝料|被害者が知っておきたいこと・知らずに損すること

2020/02/04

慰謝料ってどういうお金?

慰謝料はどうやって計算する?

慰謝料を早くもらう方法はある?

このページをご覧のあなたは、このようなことでお悩みではありませんか?

交通事故にあったら、元の生活を取り戻すためにも、きちんと怪我を治していかなくてはいけません。そのためには適正な損害賠償を受けることが必要不可欠です。慰謝料の金額、受けとる時期、そして増額のポイントをおさえることで、納得のいく解決を目指しましょう。

交通事故の慰謝料とは

交通事故の慰謝料は、事故の被害にあったことで受けた精神的な苦痛に対して支払われるお金のことを言います。

精神的な苦痛と言うと、自転車が壊れてしまってショックでした。自転車の弁償とは別に、慰謝料はもらえるのでしょうか?

物の損害(物損)は、買い替え費用や修理費のみ認められます。原則、慰謝料は認められていません。慰謝料の対象になるのは「人の被害」に限定されています。

交通事故の慰謝料は3つある

交通事故における慰謝料は、次の3つとされています。

①入通院慰謝料
②後遺傷害慰謝料
③死亡慰謝料

①入通院慰謝料

怪我の治療で入院・通院したことへの慰謝料です。
交通事故にあったら、まずは病院へ行くことをおすすめします。医師に事故の状況、打ち付けた箇所などをくわしく伝えてください。
けが・痛みの原因が交通事故によるもの、と認められなければ、慰謝料は受けとれません。できるだけ早めに病院へかかりましょう。

 

痛くなくても病院へ行ったほうが良いのでしょうか。

後から痛みが出てくることも考えられますので、早めに病院にかかってください。通院先に迷う時は、整形外科の受診がおすすめです。

②後遺傷害慰謝料

怪我が完治せず後遺障害が残ったことへの慰謝料です。
治療をつくしても、すべての怪我が完治するとは限りません。肉体的・精神的な症状が後遺症として残る可能性があります。後遺障害等級が認められれば、後遺障害慰謝料を受けとることが可能です。

③死亡慰謝料

事故の結果、死亡してしまったという苦痛への慰謝料です。死亡慰謝料は亡くなられた被害者ご本人への慰謝料です。被害者の相続人が、死亡慰謝料を請求する権利も相続することになります。

また、大事な人を亡くした「精神的な苦痛」を感じている近親者の方には、別途慰謝料の請求が認められています。これは「近親者固有の慰謝料」と言われています。近親者固有の慰謝料に関して、民法では配偶者、父母、子に請求権が認められています。関係性次第では、兄弟や姉妹、内縁関係者も請求が認められる場合があります。

この記事では、入通院慰謝料についてご説明します。

入通院慰謝料はいくらもらえる?

慰謝料は精神的な苦痛に対するお金と聞きました。では、精神的な苦痛にどうやって値段をつけるのですか?

「苦痛」には個人差がありますので、慰謝料は精神的な苦痛を受けた「期間の長さ」をもとに算定されています。しかし、誰が算定するのかで金額はずいぶん変わります。

どうやって計算する?

①自賠責保険会社
②任意保険会社
③弁護士

慰謝料の算定を「誰」がおこなうのかで、慰謝料の金額が大きく変わります。

自賠責保険の基準

自賠責保険会社の基準では、慰謝料は1日あたり4200円で算定されます。 計算式は次の通りです。


<計算式>
・入院日数 × 4,200円 + 通院期間(実治療日数 × 2)* × 4,200円
・入院日数 × 4,200円 + 通院期間 × 4,200円*
※通院期間が短い方を採用


たとえば、最初に病院を受診してから完治するまでの通院期間が1ヶ月、実際の通院日数が14日のケースで実際に計算してみましょう。

<計算例>
実際の治療日数は14日です。まずは実治療日数を2倍して、通院期間と比較します。
14日✖2=28日

28日は、1ヶ月(30日)よりも短くなります。
よって、慰謝料計算では「28日」を通院期間とします。

慰謝料:4200円✖28(日)=117,600円

このように、入通院慰謝料が【日額】で定められおり、入院日数・通院期間などの長さで掛け算をして求める方法が自賠責保険の基準です。

任意保険の基準

任意保険の基準は、各任意保険会社の自社基準となります。 また一般には公開されていません。
標準的には、自賠責保険保険の基準と同じか自賠責保険の基準をやや上回るとされています。

弁護士基準

弁護士基準は、裁判所でも使われている基準になります。 弁護士基準で算定するとき、慰謝料相場は最も高額になります。
自賠責保険の基準のような日額ではなく、弁護士基準は期間の長さをもとにした「入通院慰謝料算定表」に従って算定します。

入通院慰謝料算定表は別表Ⅰ、別表Ⅱの2種類があります。
むちうち・打撲・打ち身など、比較的軽傷とされる怪我については「別表Ⅱ」を用いてください。

表の見方
✓入院期間・通院期間を交わるところが、弁護士基準に基づいた入通院慰謝料になります。
✓「1月」は「30日」をあらわします。

▼別表Ⅰ:入通院月数と慰謝料(抜粋)※慰謝料の単位は万円

入院0月入院1月入院3月入院6月
通院0月053145244
通院1月2877162252
通院2月5298177260
通院3月73115188267
通院4月90130196273
通院5月105141204278
通院6月116149211282

 

続いて、むちうちなどの軽傷については別表Ⅱをご覧ください。
▼別表Ⅱ:入通院月数と慰謝料(抜粋)※慰謝料の単位は万円

通院月数通院慰謝料
0月0
1月19
2月36
3月53
4月67
5月79
6月89
7月97
8月103

入院・通院期間の長さに対して、実際の通院日数が少ないと、慰謝料が減額されてしまう可能性があります。弁護士基準ならどんな場合でも増額されるわけではありません。

弁護士基準があることを知りませんでした。知らないと損をしてしまうところでした。

入通院慰謝料はいつもらえる?

慰謝料は入院・通院で受けた精神的な苦痛に対して支払われるんですね。それでは退院・完治したらすぐに支払ってもらえるんでしょうか。

慰謝料を受けとれるのは原則示談後になります。なぜなら、被害者の方が受けとるお金は「慰謝料」だけではないからです。

受け取り時期は示談後が原則

被害者が最終的に受けとるお金のことを損害賠償金もしくは示談金と言います。慰謝料は、そのお金の一部分にすぎません。

たとえば、入院中は働くことができません。入院していなくても、怪我の痛みや症状で仕事ができないこともあるでしょう。 このように、事故のために働けなくなることへの補償を「休業損害」といいます。休業損害は、慰謝料とは別に請求するべきお金です。

示談交渉を通して、どんな損害が発生し、どのように損害賠償をしていくかを決めます。 被害者・加害者間で主張が異なる場合は、お互いに譲歩しながら、双方ともに納得できる点を探すことになります。この交渉が難航すればするほど、損害が確定せず、慰謝料を含む「損害賠償金(示談金)」は手元には入ってきません。

慰謝料を早くもらうには?

何かと出費が多くて生活が苦しくなってきました。慰謝料を早くもらう方法はありますか?

「被害者請求」をおこなえば、示談に先行して慰謝料を受けとることができます。

被害者請求をおこなう

被害者請求」とは、被害者自身が直接、自賠責保険会社に損害賠償金の支払いを求める方法です。

通常、示談交渉相手は、相手方の任意保険会社です。しかし、損害賠償金は相手方の任意保険会社が支払っているとは限りません。 「任意保険」というのは、「自賠責保険」で被害者に対して賠償しきれない時のための保険です。ですから、一定の金額までは自賠責保険会社から支払われ、自賠責保険の補償範囲を超えた分を、任意保険会社が支払っているのです。

たとえば、怪我に関する損害賠償金の「120万円」までは自賠責保険会社から支払われているお金なんです。

では、任意保険会社と交渉するのはなぜですか?

任意保険会社が「任意一括払」というサービスをおこない、本来は自賠責保険会社が支払う部分を立て替えているんです。

「任意一括払」は、被害者が複数の保険会社と連絡をしなくても良いというメリットがあります。しかし、任意保険会社を通さずに、被害者が直接自賠責保険会社へ請求することで、示談の進捗と関係なく慰謝料請求が可能になります。

被害者請求の4STEP

被害者請求をする方法は次の手順です。


①相手の任意保険会社に「被害者請求」をすることを連絡
「交通事故証明書」「診断書」「診療報酬明細書」の写しの送付を依頼してください。
②相手方の自賠責保険会社に必要書類の送付を依頼
任意保険会社から送られてくる「交通事故証明書」を見れば自賠責保険会社が分かります。
提出資料の準備
被害者の印鑑証明や「休業損害証明書」など、請求する内容に応じた書類の準備を進めてください。
自賠責保険会社に一式を提出
自賠責保険会社から送付された書類と、被害者自らの損害を示す書類をあわせて提出してください。


 

早く慰謝料をもらえるけれど、被害者請求は手間がかかるんですね。仕事や家事などと並行して進めるのは難しそうです。

弁護士に依頼すれば、書類の手配や準備などを代行することができます。他にも、慰謝料をきちんと受けとるためのお手伝いができますよ。

弁護士に依頼するとどう変わるの?

交通事故の慰謝料は、弁護士に依頼することで増額が見込めます。 同時に、被害者の方が日常生活を取り戻すためのストレスを和らげることにもつながるのです。

慰謝料の増額が期待できる

弁護士に依頼することで、弁護士基準での慰謝料獲得が実現できます。

アトム法律事務所 京都支部の実績の一部をご紹介します。 なお、この実績は入通院慰謝料をふくむ示談金の増額実績です。

【むちうち、腰捻挫】
✓47万円→157万円
・弁護士の増額交渉で3.3倍に増額
・後遺障害等級:無等級

【左足小指骨折、背骨骨折】
✓487万円→909万円
・弁護士の増額交渉で422万円増額
・後遺障害等級:11級

【腰椎破裂骨折】
1521万円
・後遺障害等級認定前でご依頼
・等級認定示談金獲得までを弁護士が徹底サポート
・後遺障害等級:8級認定

相手方の提示額が常に適正とは限りません。 増額の余地があるかだけでも、ぜひ弁護士におたずねください。
アトム法律事務所全体での解決実績をもっと知りたい方は「交通事故の解決実績」をご覧ください。

煩雑なやり取りから解放される

示談交渉の相手方は、多くの交通事故の保険業務をおこなっています。 そして専門用語・聞きなれない言い回しで説明を受けることで、さらに混乱してしまうかもしれません。
また、保険会社から電話がかかっても、いつも電話に出られるわけではありません。 折り返しても今度は向こうが不在…。こういった行き違いでやり取りがスムーズに進まないことも想定されます。
弁護士に依頼いただければ、窓口となって対応させていただきます。 仕事やご家庭の予定などを優先しながら、事故の解決を一緒に目指しましょう。

相手との接点を最低限に減らせる

残念なことですが、「保険会社の態度が冷たい」「加害者の態度に納得いかない」というストレスをお持ちになり、当事務所にご相談に来られる方も多いです。 事故の相手とのかかわりを減らすことで、治療に専念していただけます。

まだ依頼するかは決めていないのですが、それでも連絡していいのでしょうか?

もちろんです。一度お話してから、正式に依頼をするかご検討ください。安心してお任せいただけるよう、私どもも精いっぱい努めてまいります。まずはお気軽にお問い合わせください。

交通事故の関連記事