追突事故被害者の疑問4選|過失割合、むちうち、慰謝料、整骨院

2020/03/11

相手の主張する過失割合に納得いかない

車を傷つけられたことへの慰謝料がほしい

むちうちかもしれない

このページをご覧のあなたは、このようなことでお悩みではありませんか?

追突事故の被害者に提示された「示談案」に、「被害者が支払うべきお金」が書かれていたとしたら…。
「自分は追突されたのに悪いのか?」という憤りを耳にすることは珍しくありません。ここでは、追突事故の過失割合について解説していきます。起こってしまった事故は、なかったことにはできません。少しでも早く元の生活に戻れるように、適正な損害賠償を受けとれるように、最後までぜひお読みください。

追突事故の過失割合|被害者の責任ゼロとは限らない

追突された」のだから、何も悪くないはず…。 そう思っている被害者の方は多いのですが、追突された時の状況によって、過失割合は変わります。

たとえば、次のイラストのような事例では、過失割合が【100:0】となります。

車道の左端に適切に停車していたところに、後ろから追突された場合です。(参考:判例タイムズ157)

このイラストの場合は、被害者には落ち度がないということです。相手への損害賠償の必要はありません。

一方で、被害者にも何らかの落ち度があるとされ、損害賠償責任が発生する可能性があるケースをいくつかご紹介します。


・車両の急停止により追突された
・車線変更しようとしたら追突された
・路肩や路側帯から本線に車体をはみ出させて駐停車して追突された
・ゼブラゾーンを走行してくる車両を見落として追突された


 

ひとくちに「追突事故」といっても、状況によりさまざまに変わるのですね。過失割合は、現場検証をした警察が判断するのですか?

いえ、警察は過失割合を決めたりしません。過失割合というのは民事での争いになりますので、警察は関与しません。

次に、誰が過失割合を決めるのか説明します。

過失割合は誰が決めるもの?

示談交渉で争いごとを解決する場合、過失割合は加害者と被害者の双方で話し合い、決めていくものです。
しかし、話し合うといっても、過失割合はお互いの損害賠償額に深くかかわるために、争いは生まれやすくなります。
お互いの意見を言うだけでは、なかなかうまく進めることはできません。

では、実際どのように過失割合を決めていけばいいのでしょうか。
この記事では、相手方の保険会社から示談案の提示を受けて、示談を開始するケースを想定しています。

過失割合決定に使われる2つの資料

交通事故の過失割合は、まず刑事記録をもとに、相手方の保険会社が検討します。
「刑事記録」は警察が作成しますが、過失割合が記載されているわけではありません。
交通事故が発生した時の状況が書かれているので、まずその内容を確認するために使われます。

2つ目に確認するのは、これまでの判例です。
「別冊判例タイムズ」という冊子には、これまでの判例を基に定められた過失割合が多数掲載されています。
そして、それらは交通事故の発生状況別にまとめられているので、今回の交通事故と似たような事例を探し、その過失割合を採用します。

このように、まず保険会社は2つの資料を元に過失割合を算定して提案しています。
過失割合が損害賠償にどのように影響するのかは、次の関連記事を参考にしてください。

関連記事:争いやすい過失割合|決まり方と過失相殺のシミュレーション

保険会社も根拠のある提案をしているのであれば、対抗する方法はないのでしょうか。

闇雲に主張しても難しいでしょう。過失割合には修正要素(変更が発生する要件)があるので、それらを精査しましょう。

過失割合でもめているなら修正要素を検討する

過失割合の修正要素とは?

「別冊判例タイムズ」には、基本の過失割合と併せて「修正要素」も掲載されています。この修正要素は、過失割合の変更を交渉するなら必ず押さえておくべきポイントです。

修正要素と言うのは、基本の過失割合に対して変更を加える要件といえます。

たとえば、次のような事柄により被害者側の過失が少なく修正される可能性があります。


▼事故時の環境
住宅街・商店街、集団横断

▼被害者の属性
児童、高齢者、幼児、身体障害者


交通事故の「基本の過失割合」は判例通りですが、 「自分の場合はどうなんだろう?」と悩んでしまうときは、一度弁護士に尋ねてみることをおすすめします。

車をぶつけられてショック!慰謝料がほしい

物損部分への慰謝料獲得はむずかしい

追突された自動車、大切に乗っていたのでショックです。慰謝料はもらえませんか?

残念ですが、自動車に対しては修理費や買い替え費用を請求することで終わってしまうでしょう。

交通事故で負った精神的苦痛に対して支払われる金銭的補償を、慰謝料といいます。 そして、認められるのは入院通院したことへの慰謝料であり、物を失った・傷つけられたことへの慰謝料は、原則認められません。
受けとれる慰謝料については、以下の記事で詳しく解説しています。
▼関連記事:交通事故の慰謝料|被害者が知っておきたいこと・知らずに損をすること

過去の判例では、芸術作品、ペットを失ったことへの慰謝料が認定された事例があります。しかし、すべてのケースに当てはまるわけではありません。

追突事故で注意したいむちうち

むちうちは、身体に強い力が加わり、首がムチのようにしなることで、周辺の筋肉・神経が傷ついている状態です。 病院で診断を受けると、頸椎捻挫、頸部捻挫などの診断名がつきます。むちうちは、通常ではない方向から力が加わることで起こりえます。ですから、追突事故では特に要注意です。

むちうちの症状、後から痛みが…

追突事故直後は、痛み・しびれなどの症状がないために、病院を受診しない人もいるようです。 しかしむちうちは事故から数日後に症状が表れることもあります。
むちうちの症状は、頭痛・吐き気からめまい・眼のかすみまで幅広いことが特徴です。 しかし、いずれも自覚症状であることから、交通事故との因果関係を証明することが難しいとされます。 さらに、被害者の元々の体質にも起因するとされ、損害賠償が減額される可能性があります。

むちうち治療は整形外科?整骨院?

追突事故の直後は何ともなくても、まずは整形外科への受診をおすすめします。

むちうちの痛み・しびれがひどいので、まず整骨院へ行ってもいいですか?

まずは、整形外科を受診してください。それから整骨院の利用を検討しましょう。

整形外科と整骨院には、いくつかの違いがあります。たとえば、下表をご覧ください。

▼表:整形外科と整骨院

整形外科整骨院
行為治療施術
行為者医師柔道整復師
検査機器*あり**なし

*CT・レントゲン・MRIなど
**医療機関の設備機器状況による

このように、整形外科では「治療」を受けられますが、整骨院では「施術」を受けることになります。現行の保険制度では、治療として認められるのは、医師による医学的な治療とされています。整骨院に通院した費用や慰謝料は、必ずしも損害賠償として認められるわけではありません。

検査機器の充実度から見ても、整形外科の受診が望ましいです。「むちうち」かどうかのまえに、骨折していないかなどを確認する必要があるからです。

整骨院は開いている時間も長く、家からも近くて便利なので、やっぱり利用したいです。

そういった場合は整形外科の医師に相談し、整骨院の通院がむちうちの治療に有効であると認めてもらいましょう。

まずは整形外科に通い、治療をしていきましょう。

追突事故の被害者が適正な損害賠償を受けるには

過失割合に不服がある場合、修正要素を十分に検討することの重要性は、お分かりいただけたかと思います。
あなたのお話ひとつで修正要素となる事柄が見つかるかもしれません。 一度、弁護士にお話を聞かせていただけませんか。

また、追突時の衝撃によってはむちうちの症状が後遺障害として認定される可能性があります。
後遺障害として認定されると、受けとる慰謝料額はぐんと増額されます。
しかし、相手方からの増額提案は必ずしも適正な金額とは限りません
保険会社は営利企業でもありますし、社内ルールや法定で定められた下限値で提案してくることがほとんどです。
▼関連記事:後遺症が残った時に受けられる補償はある?

 

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もし弁護士費用がご心配でしたら、被害者自身の自動車保険に弁護士費用特約がついていないかを調べてみてください。
弁護士費用特約があれば、おおよそ300万円までの弁護士費用を保険会社が負担してくれます。
弁護士費用特約の使用は、保険等級には影響しませんので、保険料の上昇もないです。 一人で悩まず、過失割合のこと、慰謝料のこと、ご相談下さい。

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