争いやすい過失割合|決まり方と過失相殺のシミュレーション

2020/02/10

過失割合に根拠はあるの?

過失割合ってなんで大事なの?

過失割合でもめた時はどうすればいい?

このページをご覧のあなたは、このようなことでお悩みではありませんか?

事故の原因・道路の状況などを総合的に判断して、また、時にはお互いに譲歩をして、加害者・被害者の過失割合を決めていく必要があります。過失割合は、損害賠償の金額に影響を与えます。相手方ともめやすい項目なのです。

過失割合は交通事故の「責任の割合」

過失割合の決め方

交通事故の過失割合は、被害者・加害者双方で納得したうえで最終決定されます。まずは相手方の保険会社から過失割合の提案を受けることからスタートします。

現場に居合わせていない保険会社は、何を根拠に過失割合を提示してくるのでしょうか?

警察の実況見分の記録(刑事記録)と、これまでの裁判例に基づいているんですよ。

過失割合は、交通事故の起こった状況や道路の状況などでいくつかのパターンに分けられています。その内容は、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」、通称「判例タイムズ」という書籍にまとめられています。保険会社もこの書籍を元に提案しているのです。

しかし、提示内容がいつも適切とは限りません。交通事故の状況などを証明する資料や証拠を示すことで、交渉することは可能です。これらを修正要素といい、弁護士に依頼いただければ、相手の提案内容に変更の余地がないかをじっくり確かめます。

過失割合が高いほど受けとるお金が減る

過失割合とは、交通事故の責任の割合です。 つまり、過失が大きくなるほど支払われるお金が減ってしまうことになります。

お金を支払う側からみると、相手に対して支払うお金が減ります。 こういった理由から、過失割合は揉めやすいのです。

過失割合が直接、損害賠償の割合になるのですね。

その通りです。ご自身に生じた損害に対して、相手がどれだけ責任を取ってくれるのかということですね。

損害賠償|過失相殺をわかりやすく解説

過失割合がどのように損害賠償に影響を与えるのかをみていきましょう。 なお、事故状況のイラストはあくまで過失割合の一例になります。 事故状況・道路状況などによって変動するので、参考程度にご覧ください。

物の損害(物損)と人の被害(人身)では過失割合が違うこともあるので要注意です。

それはなぜですか?

同時に示談をするとは限らないからです。損害額が比較的算定しやすいので、先に物損部分だけ示談することも多いんです。

一方で、損害確定までの期間が長い分、人身部分については新しい証拠や証言が出てくることもあります。 また人身部分は損害額が大きくなりやすいので、過失割合でお互いに譲歩しづらく、その結果として物損と違う過失割合になる可能性もあります。

10:0で被害者の過失ゼロ

適切に停車していた車両に対して、後方から自動車が追突したケースでは、追突される側には過失がないと判断されます。 過失割合はA:B=【10:0】とされ、追突してきた側に100%の責任があります。たとえば、次のような損害が出たとしましょう。

A:追突したB:追突された
過失割合100
損害額30万円100万円
相手から受けとる金額0万円100万円

✓追突した側(A)は怪我はなく、車両の修理費用30万円の損害
✓追突された側(B)は軽度のむちうちと車両の修理費用の合計100万円の損害

Aには、Bに生じた損害に対する責任が100%あります。ですから、損害の全額(100万円)を支払わなくてはいけません。
一方で、BはAに生じた損害に対する責任は一切ありません。 Aは自身に生じた30万円の損害と、Bへの損害賠償金との合計130万円のお金がかかることになるのです。

8:2で被害者に2割の過失

次に、加害者・被害者ともに一定の過失があるケースです。

横断歩道・交差点ではないところでの道路横断は、歩行者にも一定の過失があると判断されます。 自動車:歩行者に8:2の過失割合があると判断され、下表のような損害がでた場合を例に考えてみます。

A:自動車B:歩行者
過失割合82
損害額40万円200万円
相手から受けとる金額8万円160万円

自動車(A)には40万円の損害が発生しました。Aは8割の責任を負いますので、Aが受け取れる損害賠償額は8万円になります。
一方、歩行者(B)は治療費・慰謝料などトータルで200万円の損害となりました。
Bは2割の責任を負いますので、Bが受け取れる損害賠償額は160万円になります。
このように、受け取れる損害賠償額が自らの過失割合に応じて減額されることを過失相殺といいます。

Bは相手から160万円を受け取りますが、相手に対して8万円を支払う必要もあります。
すので、最初から相手に支払う金額を差し引いて、Bが152万円を受けとるように決めることがあります。
このような損害賠償金の支払い方法を相殺払いといいます。

過失が小さいのに賠償金が多いケース

過失割合が小さければ、とりあえず一安心ですね。

いいえ、そうともかぎりません。過失割合が小さくても、結局多く支払わなくてはいけないこともあります。

被害者なのに多く支払うのですか!?

過失割合が小さくても、相手に対して支払う金額が高くなる場合があります。

過失割合はお互いの損害に対する責任の割合です。
たとえば、自転車:自動車で1:9の過失割合だとしましょう。 次のような損害額では、お互いが相手に支払う金額はこのようになります。

A:自動車B:自転車
過失割合91
損害額300万円30万円
相手から受けとる金額損害額30万円27万円

✓自動車が高級車であり修理に莫大な費用
✓自動車運転手の方が大怪我をした
✓自転車側にほとんど損害が出なかった


こういったケースでは、自転車側の過失が小さくても、「お金」に換算すると多く支払う必要があります。
ですから、過失が小さいからといって相手に対する損害賠償金が必ず少なくなるとは限りません。

過失割合はもめるもの!弁護士に相談を

過失割合は、お金に直結する重要な要素です。 だからこそ意見が対立しやすく、不満もたまりやすいものです。 モヤモヤした気持ちで示談をしても、本当の意味での解決にはなりません。

残念なことに、過失割合はある一定の基準がありますので、被害者の過失がゼロという事故ばかりではありません。 しかし、だからといって相手方の主張をそのまま受け入れる前に、本当に適切な過失割合なのかを弁護士が一緒に考えます。

また、あなたが被った損害についても見直します。請求しわすれがないようにきちんと損害を算定し、適切な過失割合で損害賠償を請求しませんか。
慰謝料や休業損害について、損害賠償の一例として、本ページ下部の関連記事でも解説しています。あわせてお役立てください。

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過失割合の他のパターンについては、上記の関連記事もあわせてご覧ください。 もっとも、自転車事故、バイク事故など「乗り物」によっても過失割合は変わります。 ですから、実際のあなたの交通事故の過失割合は弁護士相談でたずねてみましょう。

アトム法律事務所は、人身事故の被害者の方からの無料相談を受け付けております。 相談予約の窓口は24時間つながりますので、まずはご連絡をお願いします。

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